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・東南亜マレーポリネシア系メラネシア系の土着民:祖霊神霊崇拝の探訪見聞 ・自然信仰に関わる珍談、奇談 ・自然信仰全般、特に私が関わるアフリカ土俗死霊崇拝の逸話 ・信仰に関わる人々の生き様など
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02:32:45
ボリス・ドグボエヴィ:著
西山たけし:訳

以前、当地トーゴ古の時代に蔓延った「人攫い」について綴らせて頂きました。トーゴのみというよりも、西アフリカ一帯も云うに及ばず、実際は北部を抜いたアフリカ全域で土俗信仰の為に、捧げる供物を得る手段として実行されて参りました。

私自身、幼い頃より親族や近隣の老人方を筆頭に、先達の方々から見聞致した記憶を元にトーゴの首都ロメ一地区アディドゴメの逸話として紹介しましたが、アフリカ全域に通ずる逸話と思って頂ければ幸いです。

古の時代、如何に人を攫うか?という部分に焦点を絞り綴りましたが、攫った人体をどのように使うか?という事について今回御説明致します。

イの一番で重要な物が血液。血液は人体を司るエネルギー源で有り、人体を循環する事で機能するわけです。従って、まず第一に事象・物象に宿る神霊方に捧げますが、膨大な数の神霊に捧げる事は不可能なので、人の生に頻繁に関わる四体から五体ほどの神霊へ捧げます。内一体はメッセンジャー的な役割も兼ねる神霊で、此の神霊に捧げる事で他の膨大な神霊への間接的エネルギー強化に繋がります。次に先祖霊(他の先達の霊も含む)、基本祭壇を持つシャーマン家系の先達の霊へ捧げる事に成りますが、その場に居合わせる外部の者でも、其の時々の法事に関与して居れば人物に取り巻く霊は勿論の事、人物の先祖霊も供犠の血液に肖れるわけです。供す方法は、頸動脈を切り直接的に神霊及び霊へ掛け捧げる。または、盥に大量の岩塩を入れ其処に血液を一旦ため込み、爾後、神霊及び霊へ捧げます。岩塩は血液の凝固を抑える上に、新鮮さを保つ事が可能なのです。

上述は儀礼として神霊や霊へ捧げる方策で有り、神霊や霊へ常成る擁護と援護への感謝を示す儀礼と成ります。新鮮な人の血液を捧げる事で神霊も霊も活性化し、より強い神霊同じく霊と成り、使役した暁に強力な呪力を発揮するわけです。

更に神霊や霊の土偶や木偶を構築した際、最終的に「活き入れ」するには血液が不可欠です。構築の過程で土偶や木偶に入れる自然のエレメントも重要ですが、血液を捧げなければ木偶の坊といった按配で、土偶や木偶に入れたあらゆるエレメントは何の足しにも成りません。強いて申せば、高性能な車に石油を入れず走ろうとする様なものです。

以上、血液の重要性を申し上げて参りましたが、人体から血液を全て供物として捧げた後、臓腑は綺麗に腑分けされます。人体全ての部位を余さず使いますが、全て御説明差し上げるわけにはいかない内容も有る上に、御説明出来る範囲も可成り有る為、全て御説明するには行数が足りません。其処で幾つか頻繁に需要の有る主体部位として、頭部(脳を含む)・心臓・内臓(心臓以外の臓器)・性器、此れ等を例に取らせて頂きます。付け足し致しますが、最も需要の有る人体は、アルビノスを筆頭に二番目に頑強な若い男性の人体としなやかで健康な処女の人体と成ります。

初めに頭部、脳が格納される頭部は謂わば人体を司る操縦室。生前は魂が籠る場所と成ります。支配・采配・妙案・等々を生み出す器官で有る事から、様々なコミュニティで突出する事を願う者へ、此れを用いて的確な呪法そして呪力を齎します。逆に人心を惑わす妙技・妙案も生み、巧妙な詐欺なぞの主翼と成る呪力も御座います。

余談ですが基督教会の強欲な牧師は、基督教の理念から掛け離れた資質を備えて居り、己が新たに創設する教会の為に呪術掛かった方策を採ります。其の為に使用されるのが人の頭部で有り、基督教と云うよりも信者からの布施を掻き集める為の集会所なのです。強欲牧師の為に、ボコ(ヴドゥ信仰シャーマン)は悪行連ねた人物の頭部を得て、然るべき呪術を実行するのです。爾後、信者が離れず留まらせる術として、牧師自身もヴドゥ系の闇に関わる神霊を崇め定期的に供犠を行います。基督教のみで無く回教の現場にも能く見られますが、詰まるところ何れの宗教もアフリカの土俗・習俗に呑み込まれてしまうのが落ちなのです。

前述致しましたがヴドゥの神霊構築の際、より人に寄せる事を念頭に人体頭部を主体エレメントとし土偶に埋め込む事も御座います。

心臓及び内臓の使い道は、人心掌握・一体・一途が心臓で、エネルギーの根源が内臓と成ります。

為政者や経営者や軍人なぞ、人を束ねて一糸乱れぬ方向性に操作したいと願う者共に需要が有ります。心臓は脳と連動しますが、潤滑油の血液を賄うポンプで在る心が穏やかに成らぬ事では人心操作は不可能です。更に、其の潤滑油の血液なぞ生成するのが臓物です。殊に此の内臓はエネルギー生成の根源で有るからして、其の漲る威力を霊的に作用さすれば謀反者や反目者を改心または淘汰する呪力を齎します。

男女両性器について御説明させて頂きます。女性の陰部に関しては、金銭的な繁栄に関して霊的に用いられます。云うまでも無く産出の門口で有る女陰は、生産=繁栄を意味する事から金銭に焦点を中てた呪法に用いられ、時には乾燥した女陰を要望者に授け、自宅或いは商いの場で然るべき場をボコが指定し埋めるまたは据えるなぞ方策を取る事で呪縛が浸透し、要望者は徐々に金銭面での恩恵を受け繁栄の日々を送るように成るのです。男性の陰茎と陰嚢は、金銭面での繁栄にも繋がりますが女陰ほどで無く、何れかというと名声や権力そして維持、其の為の呪法に用いられます。

簡易ですが、人体部位の使い道を羅列させて頂きました。全て剥ぎ取り、残った人骨も無駄無く使用されます。肉片は如何様にするかと申しますと、古の時代は山羊肉や鶏肉や牛肉同様、調理して喰らって居ったそうです。近代に於いては神霊構築の際、土偶内に台座として肉片を敷き頭部を据える座布団的な役目と成って居ります。しかし、ナイジェリアにてヨルバ族と二分する大きな部族イボ族に於いては、現在でも人体全てを神霊に捧げた後に御下がりとして人肉を調理して食して居るとの事です。

前回今回と、古の人攫い方法から人体の使い道を綴らせて頂きました。親愛なる読者の方々は、内容から「未だに遣ってんじゃないのか?」と勘繰られるかと存じます。お察しの通り、流石に人攫いは廃れましたが人体の闇マーケットは存在します。闇マーケットの関係者は、臓器売買を主体として居りますが、次に需要の有るのが土俗信仰関係の市場です。従って、霊力の高いボコ(ヴドゥ信仰シャーマン)を慕う信者の中でも、金銭的に裕福な信者を持つボコを闇マーケット関係者は全て把握して居ります。云うまでも御座いませんが、人体は山羊や牛や鶏なんぞの獣の数十倍の値で取引されて居るのです。其れがアルビノスや頑健な若い男女の肉体と成れば、レアな上に気の遠く成る様な価格というのが現状で御座います。

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