Yahoo!ブックマークに登録
・東南亜マレーポリネシア系メラネシア系の土着民:祖霊神霊崇拝の探訪見聞 ・自然信仰に関わる珍談、奇談 ・自然信仰全般、特に私が関わるアフリカ土俗死霊崇拝の逸話 ・信仰に関わる人々の生き様など
2015/09«│ 2015/10| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2015/11
文字サイズ文字サイズ:大文字サイズ:中文字サイズ:小
01:34:25
四年前、肥えた中年邦人男がラオスへ参りました。アメリカで数年を過ごし、現地の女房と別れ、遣って居った商売も畳んで日本へ帰った……と当初本人は申して居りました。

一見社交性が有り、誰からも好まれる御人良しに見える此の壮年男。しかし、度々垣間見える「目付き」には毒性が秘められていると、早々に判断して居りました。

此の男がラオスに来て半年も経たぬ内、ある蛇顔の女と良い仲に成ったのです。

近年、雨後の筍の様に増えた、頭に「アメリカ」を冠した塾まがいの怪しげなビジネス系私立単科大学を卒業し、英語圏に住んだ事も無いくせに「活きた英語」を、まま流暢に操る女でした。

「ラオス人社会は、何もかも常軌を逸した異常な常識ですから、少々でも英語を話すと云う事は、まともな文化に触れる機会が有ったと判断して選んだ女です」

男はそう申しておりました。傲慢千万な理屈だが、尤もだとも思いました。

されど、此の男にも蛇顔の女にも、此の道理に適った理由は程遠く、私は鼻白んで居りました。外国人に接する機会が少ないラオス国内で、まま流暢に英語を話す。そんな怪しげな女の過去に疑いを持たない、男の安直な頭脳にも呆れました。

つまらぬ男、そしてつまらぬ関係を築こうとする人物に興味なぞ湧きませんから、疎遠に成って居りましたが、或る日、その男が仏料理を出す食堂を居抜きで借りたと別の邦人から伝え聞き、数人で食事に参りました。男は機嫌良く、店の経営は蛇女の希望で有ったと述べ「此れから夫婦で盛り上げて参ります」と大層な事を云って居りました。

其の食堂、数年前に造作中の作業員が屋上から転落死した曰く付の建物。注文した料理を食して居た最中、不図、鼻を過る草木を燻した匂い……。一瞬、不審に思うも即座に忘れて居りました。

其れから数か月、男が蛇女に車を買い与えて遣ったとか、ビエンチャン郊外に一軒家を買ったとか、果ては利率の良いラオス通貨に日本円で数千万円を両替え、預金したなぞ、随分景気の良い話を人伝で耳にしたものでした。

爾後、何故か数か月と保たず食堂は閉店。五年契約・前倒しで支払った賃貸料は、貸主の業突く婆の口八丁手八丁で有耶無耶にされ、男は数万ドルを溝に捨てる事と相成ったのです。更に、住居として借りて居った隣の建物一階を、数千ドル掛けて造作、心機一転ラオス式うどん屋を始めたのも束の間、開店し十日ほど経った後に建物脇の電線がショートし火事騒ぎ。発見が早く内部に火が回らずも、外装が黒焦げに成る始末。

興醒めた男と蛇女は店を閉め、既に購入して有った一軒家へと移り住みました。其の間、飼い始めた二匹のロットワイラー犬が近所の子供に噛み付いたり、屋外へ出た一匹が素通りのラオ人を威嚇し襲ったところ、ラオ人が偶々目の前に有った角材で叩きのめし、犬は惨殺。

更に蛇女が孕むも子は流れ、体調優れぬ蛇女に対し、男が強引に連日交尾を迫るといった、顔に似合わぬ鬼畜ぶりをも見せて居りました。

鬼畜の所業は増幅し、連日の交尾により、十月十日が満ちて産まれた赤子を上に放っては受けを繰り返していたところ、何かの拍子に受け損ね、赤子は椅子の肘掛けにしたたか頭を打ち付け、頭蓋骨にひびが……。幸い、医師の早急な処置でなんとか一命を取り留めるも、此の男に関わる事や遣る事成す事が、呪われた事象のオンパレードで在りました。

一日、ビエンチャン市内中心で偶然、車に乗った男と蛇女に出くわしました。男は車を停め挨拶をしてきましたが、ドアを開けた際、またもや草木を燻した匂いが鼻を過る……。男が一気に捲し立てる蛇女への不満を、道端で数分、煩わしい乍らも聞き、同道した私の女房も、初見の蛇女と同じく会話を致しました。

「あの奥さん、初対面なのに、早く子供を産んで既成事実を作らないと不利に成る、貴方も頑張ってね。なんて、随分失礼な事云うんだよ!」

帰りの車中、女房が蛇女の言動を訝しんで居りました。

こうなると、関係は悪化の一途を辿るのみで御座います。蛇女は常々上手く夫婦喧嘩に持ち込み、気弱い男は家出を繰り返し、自棄酒・自棄食い。高血圧・痛風持ちの体は元々九十キロほどの肥満体で在りましたが、更に肥えて百数十キロとなり、まるで四川豚のように醜悪な様相を呈す迄に成り、前述の病も頻繁に発症するようになったのです。

本年一月、四川豚と蛇女が最後の大喧嘩をして以来、家を出た四川豚は日本へ帰ってしまいました。結句、四川豚と蛇女の間に生まれた男児も、日本人の雰囲気が皆無。其れも其の筈、間男の仕込んだ餓鬼でありました。

この蛇女、男と出会った当初から、見当を付けた呪い師に依頼し、己の目的の為に邁進して居ったのは明らかであります。最終的には呪縛通りに事が進み、四川豚が投資した資産を丸々奪ったのでありました。蛇女の霊的処方は、此処インドシナの外道女に有りがちなスタンダードな計画と存じます。能く有る話です。

後々、四川豚がかつてアメリカで現地女房と別れた経緯が、蛇女との別れよりも壮絶を極めた事を知りました。

アメリカはアメリカでも、四川豚が居った場所はカリブのプエルトリコ。私が居ったキューバにも近い米領の島ですが、島民はキューバと同じアフロ系のラテン人。

先地の女房との間には警察が介入し、裁判所から家屋百メートル以内に近づく事も儘成らぬ御達しを受け、己で購入した家も愛娘にも二度と近付けず、更に高額な賠償金を支払う羽目に成っていたようです。

道理で、私が四川豚の周囲で二度ほど過った草木を燻す匂い。間違いなく、西アフリカ系・ヨルバのオサインという神霊を扱う術師。もしくは私と同じバントゥー系の死霊使いが、プエルトリコ女房を通じて掛けた呪いで有った事が解りました。

草木を燻した匂い、行く先々で死が関係した話、温厚な四川豚の目に宿る毒性。これらを踏まえれば、おそらく死霊憑依で有り、四川豚はバントゥーの術師が放った死霊憑依されたまま、長年生活して居るのだと存じます。

そういった経緯を知る由も無い蛇女ですが、憑依の下地に掛かる呪で有れば容易に事が進むわけで御座います。四川豚は、死ぬまで不運に見舞われて行くのでしょう。

----------------------------------
土俗信仰のフィールドワーク
ニシヤマタケシ
www.khmersurin999.com
www.necromancer666.com
スポンサーサイト

Theme:スピリチュアル Genre:心と身体│ Tag:死霊│ Tag:憑依│ Tag:呪縛│ Tag:呪術│ Tag:アフリカ│ Tag:バントゥー│ Tag:ヨルバ四川豚│ Tag:キューバ│ Category:雑記│ コメント:--│ トラックバック :--
「ヴードゥー大全(壇原照和:著)」
image888.jpg
「ヴードゥー大全」 ハイチのヴードゥー教を主体に、習合されたアフリカの原始信仰及び呪術の集大成。私がキューバ編のバントゥー・パーロ信仰を監修させて頂きました。現在中古本のみですが・・・。 ※アマゾンにて購入可
土俗呪術随想録

khmersurin

Author:khmersurin
「土俗呪術奇譚」へようこそいらっしゃいました・・・。

DSCN0431.jpg ---ヨルバ族の信仰を主体に構成されバントゥ族の信仰も含まれる「アフロ・キューバ信仰協会」のメンバーです。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ご質問などが有ればメールフォームにてどうぞ・・・。直接メール頂く事も可能です。 info@khmersurin999.com
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
RSSリンクの表示
電子書籍:シックスサマナ
image999.jpg
「シックスサマナ」 電子書籍にて月二回発行される一風変わった海外移住促進誌です。「人を呪わば穴二つ」という探訪記を連載させて頂いて居ります。 ※アマゾン・キンドルストアで購入可
土俗呪術案内
アフリカ発祥の類稀な古来信仰、死霊を使役する呪いにて現世利益を得るお手伝いを致します。更に呪物の御提供も致して居ります。
リンク
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

  1. 無料アクセス解析