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・東南亜マレーポリネシア系メラネシア系の土着民:祖霊神霊崇拝の探訪見聞 ・自然信仰に関わる珍談、奇談 ・自然信仰全般、特に私が関わるアフリカ土俗死霊崇拝の逸話 ・信仰に関わる人々の生き様など
2014/07«│ 2014/08| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2014/09
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生き物が生きて行くにあたり、我々人間は何がしか生きて行く為の名分を立てようと致します。オツムを持った我々人間は、畜生のように「喰う」「遣る」「寝る」のみでは収まりが付きません。若い時分から、其の名分を得ようと躍起になる者も居ると思います。中には自堕落で、行き当たりばったりで名分に該当する事象や物象に行き着く者も居るかと存じます。何れにせよ、其れを趣味に求め追求したり、信仰で在ったり、己の職で在ったり愛する女房・子供で在ったりします。頂けない事象ですが、生物(人間)の精神的不具で有る同性愛や小児愛や獣愛に行き着く者も居るわけです。


私の場合、何れかと申し上げると自堕落で行き着いた形態で御座います。若くして渡航したキューバは、日本とはイデオロギーを異にする国家で有り、当時、世界は二分されて居り、共産社会を標榜するソ連の舎弟に連なる国で在りました。旅行なら未だしも、長期の滞在となると反体制国家の人民とした目で見られ、長期滞在を得る為の過程は苦労の連続で在りました。キューバという国が、当時「柔軟な社会主義」と云われた事、更に元々が移民国家で有った事も、私にとって不幸中の幸いを齎して呉れた、と今となればそう確信して居ります。おそらく、此れが親玉のソ連や東欧、亜細亜の共産国家で有ったなら、嫌疑を掛けられ獄中生活も余儀無くされて居った事と存じます。


単にキューバ革命に陶酔し、其れのみ、片道切符で訪れた脳内花園状態の愚生を、良くもまあ大きな器で受け入れて呉れたものだと思う次第です。爾後、国家体育学校(其れしか脳が御座いませんでした。)に入り、取ってつけたように、と或るスポーツのトレーナー過程を学ぶわけですが、易々と問屋は卸して呉れませんでした。粗末な配給食により、常時喰い物が頭から離れず、全てが国営のキューバでは、資本主義国家のように何処かでアルバイトをするなぞと簡易に行かぬ事から、勉学などと悠長に構える事が出来ぬのが実際のところで御座います。其の様な身上に置かれ、八方塞の状況で出会ったのがアフリカ系キューバ人の男でした。彼に連れられ、幾つかの伝統部族信仰を紹介され、まず魂消た事は「何故、共産国で信仰が許されるのか?」。そして意外にも堂々と実践して居る事に驚愕は隠せませんでした。信者が多い事にも驚愕致した次第です。彼らは、信仰に際し頻繁に獣を供犠とする為、お下がりとして得る獣肉で常に冷蔵庫が満たされて居りました。当初、信仰と云うものに懐疑的だった私は「ふんだんに有る肉が喰える」という理由のみで通って居りました。そういった見え透いた姿勢で在っても、彼らは此れといった文句も無く、常に歓迎し鱈腹喰わせて呉れたわけです。此れといった勧誘も一切有りませんでした。或る日、バントゥ族の信仰を実践する人物の宅を訪れた際、家主と世間話をして居ったところ、行き成り其の家主が豹変し粗暴な状態に成ったのです。呆気に取られ乍も、当然、此方も身構え臨戦態勢を整えました。しかし、暴力に訴えるわけで無く、単に粗暴な振る舞いと言動に至っただけの事で御座いました。能く聞くと、家主が契約した死霊の憑依で、契約霊は肉体を有する大元の人物と同等に肉体を使用する権限が有るとの事でした。憑依した霊は家主の声帯(肉体)を使い、私の潜在的な部分や葛藤を易々と暴き出し、全て御見通しで有った事。信仰に懐疑的だった私は、一気に覆される思いでした。其れも「脳内花園状態」と括られれば、返す言葉は御座いません。人間は脆いもの、極みに置かれたら何かに縋りたく成るものです。更に、死霊と契約すれば不足の部分が補われ、現世的な利益を謳歌出来る、何故なら現世で苦難に満ちた生活を送った奴隷の霊は、共有する肉体で同様な苦難を齎さないように奮闘する、という話で容易に心は変わってしまいました。一も二も無く死霊契約を願い出で、後はトントン拍子で信仰に浸かって行ったわけで御座います。其の御蔭で、現世での苦労は皆無に等しく成りましたが、人間的な関係に支障が現れて参りました。志を同じうする人物とは、密な関係に成れるのですが、門外とは差し障りの無い関係でしか居られないのが実際のところです。此の場合の門外とは、霊的なものを否定する傾向に有る人物や、其の類のものを足蹴にするような人物は、自動的に疎遠または排除するような傾向に有るのです。私が良しと思っても、単に疎遠に成るか極端な場合は先方が不運に見舞われたりするのです・・。はなの問題は、キューバを離れ死霊と分かち合う生活というもので何か迷った場合、示唆を仰ぐ人物が居ない事が足枷と成り、少々問題が噴出して来たわけです。簡単に申し上げれば、憑依した後に憑依が解けず、数日眩暈のような状態で行動し憑依する粗雑な死霊の性質が前面に出で、周囲に狼藉を働くような粗相が有ったりしたのです。要は、契約霊を上手く操作する為の重要な部分を御座成りにし、常に入脱の不具合が起こると熟練者に頼って居ったのです。在キューバ時代は、おんぶに抱っこで在った事が裏目に出てしまったのです。


帰国後は、何かしっくり来ない部分が常に現れ、其れが頭痛の種でした。霊的な感覚というものが薄い為か、霊が肉体をスライドする感覚に慣れず、其の頃は過渡期で有ったような気がします。何か己の感情では無いという感覚が、帰国を機にどういうわけか増えて参ったのです。前述しましたが、契約霊の入脱を自在にする術を怠った己の責任なのですが・・。それでも長年のキューバ生活で、性質や価値観が変わったという現実的な結論で己を落ち着かせる愚かな努力もして居りました。ただ、旧知の友人が「何か昔の御前では無いよう・・」という一言で我に返り、キューバ現地の熟練信仰者へ相談したところ、「向後、契約霊と付き合う上で、自ずと対象を制御する霊的方策を考えなければ成らない。和やかな関係に成らない事は、当初に釘を刺した筈だ。己が好んで契約したもの、今となっては誰も助ける事は出来ない。己で模索する事。幸運な事に自然信仰は、古代のもので共通項が多いから、祖霊(死霊)や精霊を重んじる信仰が有れば間違いなく道が開ける。」此の漠然に近い助言を元に、私の一生続く契約霊との新たな共同生活が始まったわけです。前置きが長く成りましたが、私の人生の名分に成ったものは、契約死霊との肉体共有生活です。


経済面を不安と思う心は払拭されて居りましたが、心に過ぎる何時か肉体を乗っ取られるのでは無いか、という不安を払拭出来ませんでした。と或る縁で東南アジアへ渡航する機会を経て、其処で土着民の死霊崇拝を知りました。しかし、彼らの死霊との付き合いはアフリカ式と少々異にするもので有り、大元の主がはなから劣勢というのを、あっさりと受け入れてしまうと謂った付き合い方もヘッタクレも無い、己が一方的に死霊へ服従するものでした。しかし、毛頭関わる事は無いで有ろうと思われた仏教系で、所謂「呪い坊主」と謂われる坊主が拵える呪物を得た事に依り懸念は解決したのです。五感を司り無にする為、災難が及ばないという類のものです。不運から身を守るに長けた呪物で有り、主に戦争に赴く兵士専用で有ったようです。人民曰く「身を徹底的に守る反面、其の他は何も要らぬという作用は、その他の運も排除してしまう。」との事。其の様な類の呪物で有れど、付き合う霊を牽制するには打って付けです。何はとも有れ、其れを所持してから憑依の入脱が調い優劣の均衡は是正されました。


ちなみに、其の呪物に関する人民の言動に付いて触れますが、「何事も寄せ付けない」と云う観念を主体に置いた妄想なのです。実際は、悪運そして其れを齎す悪霊を寄せず、霊的環境は調い運気は順路のみ開くのです。呪物に対する人民の心情は、風評が大いに関連して居る事も後々知ったわけです。損もするが、損して余り有る得が有るのです。其の呪物を拵えるシャム寺院は、其の昔、シャムより英領で在ったマレーに割譲され、今ではマレー領内と相成ります。シャムへ追従する事を良しとしない、マレー系の種族が坊主となり仕える寺院で御座います。


何時かは訪れようと思って居りましたところ、つい最近、急に思い立ち訪れました。イスラム教が九割方と云う彼の地に、隠れるようにシャム寺院が点在して居ります。寂れた感が有り信者らしい姿は見られません。其の反面、立派な建物や仏像が置かれて居り、シャムでは見掛けない五感を司る座像が、堂々と座して居るのを見た時、其の潔さに感服した次第で御座います。在シャムの寺院と違い閑散として居るのですが、裕福な中華系マレー人の寄進で成り立って居るとの事。また、シャムの富裕者も多大な寄進を続けて居るとの事。不図、己の頭を過ぎった言葉「毒をもって毒を制す」。呪う作用ですから、望みを得た分、違う面で皺寄せが有るのは当り前の事。イスラム教が跋扈する地で、見た目は閑散としたシャム仏教の寺院だが、其れでもシャムの寺に勝るとも劣らない寄進を集め、寺院の名声はシャムでも可也のものです。矢張り、呪術の作用は此れに尽きるのだと、しみじみ思った次第で御座います。


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