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・東南亜マレーポリネシア系メラネシア系の土着民:祖霊神霊崇拝の探訪見聞 ・自然信仰に関わる珍談、奇談 ・自然信仰全般、特に私が関わるアフリカ土俗死霊崇拝の逸話 ・信仰に関わる人々の生き様など
2014/02«│ 2014/03| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2014/04
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22:58:03
私事の恥を晒す話に成ります。私の女房は少数民族出身です。首都ビエンチャンから4百キロ、ラオス中部ボリカムサイ県のラクサオ市から、ベトナム国境10キロ手前のと或るタイ族系の部落で生まれ育ちました。田舎の家族に関し、今となっては農業と畜産を地道に遣った御蔭で、金銭が回るように成りましたが、数年前までは物々交換が主体で金銭は入らず現物のみの生活を余儀無くされて居ったのです。そこへゴールドラッシュの波が押し寄せ、野心持ちの長男と親父が目を眩まされてしまったわけです。長男が朝4時に家を発ち、川で場所を確保し砂金採りを始め、昼頃に親父が昼飯を抱えて励む長男の為に馳せ参じる、と云う事を繰り返して居りました。川は砂金採りの人々でごった返し、あれだけ長閑で在った人々が、何時の間にか殺伐とした様相を体し始めたそうです。当然の事、場所取りなどで悶着が発生します。或る日、何時もの様に親父が昼飯持参で川へ到着すると、長男が数人の人々と口論と成って居りました。長男が先に確保した人物の場所を、制止を無視して勝手に砂金採りを始めたと云うのです。親父は訳も聞かず長男に加勢し、怒声を浴びせたのを機に双方が石の投げ合いと成りました。周囲の人間が仲介に入り、その場は何とか収まりましたが納得の行かぬ相手が「ただでは済まぬぞ!」と脅しを掛けたのち失せたようなのです。

ひと悶着が有った事から、長男は当分の間砂金採りへ行く事を止める事にして、弟と幼い妹や母頼りにして居た家業である農業と畜産に精を出し始め、数日経過した頃でした。長男が早朝野良仕事に出掛ける前は、敷地内で飼育する豚に餌を遣ったり黙々と仕事をこなして居った親父が、夕刻田圃から戻ると下半身丸出しのまま家の前で村長に諫められて居るのを目撃したのです。母親に問い質すと、辟易とした面持ちで「云っても聞かぬし誰の事も判断出来ぬ」と云う、終いには村長が駆け付けて諫めて居ったというわけです。云われてみれば、長男も親父が自分を化け物でも見るかのように凝視して訝しく感じたとの事なのです。振舞いが何処となくおかしく、家族を見る目も何処か人間の所作とは感じられぬ印象で在ったようです。更に出来上がった夕飯を鍋から直接喰おうと、煮立った鍋に手を突っ込み内容物で大火傷をする始末。一瞬奇声を発したもの、母が手当てを始めると明後日の方向を見つめ黙り込んだまま・・。爾後は、食事の時のみ血相を変えるが、普段は一方向を見つめたままで呼ぼうが何しようが、全く返事も動作もしなく成ったそうです。
その後、以前川で砂金の場所取りで揉めた相手が住む村の人物から、と或る話を聞いたという同村の人物が其の話を伝えに参りました。何でも、あの揉めた時に現場へ置きっ放しになって居った親父の私物を揉めた相手が収め、山に居るメラネシア系土着民の部落に持参し部落の呪術師呪術を依頼したらしいとの話。此れで原因が解明したという事で、散々八方手を尽くし、ラクサオ市に在る寺へ南部出身の霊験新たかな坊主が来て居るとの情報を受け、腑抜けとなった親父を連れて参ったそうです。結果は性質の悪い人間の霊を憑依させられ、其の霊があらゆる畜生の霊を代わる代わる憑依させて居るとの事。強烈な霊で有り、霊験新たかと云われた坊主(?)だが、自身では手に負えないと放り投げられてしまいました。落胆し、どうしようかと迷って居った矢先「毒には毒をもって制す」と云う事で、依頼をした人物と同様に山間のメラネシア系部落へ参る事を決心しました。私は女房が親父を心配する事から、そこへ同行する事に相成りました。女房の村から単車三台に、長男と親父そして女房と私、部落の言葉を操る人物と女房の叔父が分乗して参りました。小一時間も走ったところ、そこから先は山間に入る為に獣道と成り徒歩で向かう事に成りました。3時間ほど歩いたのですが、慣れぬ私は何度も止めようかと思うほど酷い行程でした。やっとの事で視界前方に、化け物小屋のような家屋が密集する部落が確認出来たのは日も暮れる頃でした。其の部落は文明とは確実に一線を引いた部落です。と云いますか、部落と云いますか取ってつけたような集落で家屋はいつでも移動出来るように簡素な作りです。要するに、山間を移動する狩猟民独特の集落と云うわけです。部落民はメラネシア系と云う事で、アフリカ人のように黒い肌で異常に大きな目を持ち痩身、獣的な雰囲気を持つ禍々しい霊的成分を発散する人々でした。部落語を操る人物が訳を述べると村の長が参りました。聞くと、その長が呪術師で彼自身が掛けた張本人で有りました。しかし、女房の親父に怨恨が有るわけで無く、親父に仕掛けた術も先方に対し供物を条件に請け負った話。同様に条件を受け入れるなら、解いて遣ると云う事に成ったわけです。爾後、女房の家族にしては大変な出費となる水牛数頭や大量の穀物を要求されたわけですが、背に腹は代えられず条件を飲み実行したわけです。

執行後、女房の親父が改善した旨を聞いたのは首都ビエンチャンに戻り数日後の事でした。長男は自身の欲が大きな問題を齎した事に落胆し、以後姿を眩まして行方不明に成って居りましたが、一昨年ふらりと戻って参ったようです。兎に角、長男も親父も御粗末極まり無い性質を持った輩です・・。山間の部落各地で起こったゴールドラッシュは、政府が事態を鑑みて数年前に全面禁止と成りました。こう云った問題が多々噴出する事を懸念した措置か、単に政府が欲深いだけなのか全く解りませんが、おそらく後者だと存じます。

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